2018年10月10日


太陽光 一時停止要請へ 九電、需給バランス調整


九州電力と経済産業省は九州で太陽光や風力による発電をする事業者に、月内にも一時的な稼働停止を求めることで最終調整に入った。


太陽光が生む電力を管内でさばききれない恐れがあるため、日中の太陽光発電を絞る。


国は再生可能エネルギーを主力電源にする方針だが、余った電力をやりとりする送電網の強化などを急ぐ必要がありそうだ。


晴天で太陽光の発電量が多くなった場合に、あらかじめ決めたルールに基づいて「出力制御」をするよう事業者に通知する。

 

九電は数十万キロワット分の抑制を求めるとみられ、一部の事業者が対象になる。


離島で実施したことはあるが、広域を対象にするのは初めてだ。
発電が伸びなければ実施しない。
住宅の太陽光発電にあたる出力10キロワット未満のものは対象から外す。

 

日照条件が良い九州では、2012年の固定価格買い取り制度(FIT)開始から太陽光施設が増えた。
8月末の出力は約807万キロワットと2012年度末の7倍以上になった。
電力はつくりすぎると周波数が乱れ、大規模な停電を招く恐れがある。

 

このため電力会社は太陽光発電が多い時は、火力発電を抑えて調整している。
九電は1日に、需給バランスを整えるための関西電力などへの送電も初めて実施した。


しかしこれからは冷房の利用が減るため、発電を抑える必要があるとみている。
世耕弘成経産相は5日の記者会見で「出力制御を実施する場合は、透明性、公平性の確保が非常に重要で、万が一行われた場合には国の審議会でも検証する」とした。


出典:2018年10月7日 日本経済新聞 朝刊